説明的文章の読解メソッド⑧

いつもブログを読んでいただき、誠にありがとうございます。
今回も引き続き、「具体と抽象」をテーマにしてお話させていただきます。

7/22配信のブログでは接続語の働きにフォーカスを当て、「具体と抽象」を読み解くことの重要性をお話させていただきましたが、本日は接続語がない場合についてお話させていただきます。

では、早速接続語がない場合に「具体と抽象」を分けて読む上でのポイントを説明させていただきますので参考にしてください。

ポイント1
「など」という語句に注意する

これは例を見ていただくと、分かりやすいと思います。
下記の例文を見てください。

例)
野球、サッカー、ラグビーなど様々なスポーツが好きです。

上記の例を見ると、「など」の前の文脈が「具体」で「など」の後が「抽象」となります。よって、話の中心(※話し手が伝えたいこと)は「様々なスポーツが好きです」という文脈ですね。
些細なことのように思われるかもしれませんが、このように「語」の働きに着目し、物事を抽象的にとらえる読解力スキルは非常に大切です!
何事も基本が大切です。身体ができていない子が何回素振りを繰り返しても速球を打てるようにはなりませんね。それと同じです。やぶからぼうに長文をたくさん読んでも読解力は向上しません。
私は西宮北口にある隠れ家的な教室で、「読むことと書くことは表裏一体」をコンセプトに独自の作文教室を開講していますが、その指導の中でも「語」の働きに着目して「具体」と「抽象」をしっかり分けて表現することを子どもたちにこんこんと伝えています😁

ポイント2
自力で「抽象化」する

「何が言いたいの?」と思われるかもしれませんね😅
ちなみに、この読解スキルはハイレベルなスキルであり、将来最難関中を目指すお子さまは必ず習得すべき読解スキルと私は考えています。

では、早速下記の例文を見てください。

例)
テレワークは、通信環境が整備されていないとやりづらい。また、幼い子どもがいる家庭の場合、仕事と育児を切り分けられず仕事に集中できないという話を聞いたことがある。さらに、対面での仕事と違い、コミュニケーションが取りづらいというストレスを感じる可能性もある。

さて、上記の例文を見てどう思われますでしょうか。
「具体」と「抽象」を分けて読解できるでしょうか。
答えは「いいえ」です。
上記の例文では、抽象的な表現はなく、全て具体例です。
このような場合、書かれた具体例の内容から共通点を見出し、自力で「抽象化」するという読解スキルが求められます。
今回の例文の場合、共通点を表すワードは「課題」「デメリット」「問題点」などになりますね。
よって、今回の例文における、話の中心(※話し手が伝えたいこと)は「テレワークには様々な課題がある」などの文脈になりますね。

このように、書かれた内容を「抽象化」してとらえるという読解スキルは非常に高度な読解スキルではありますが、これを習得すると「話の中心(※要点)」をとらえる力がぐっと上がるだけでなく、最難関中に出題される高難度な記述問題への対応力も高まります!(※最難関中では文章中の言葉をそのまま使用するだけでは書けない高難度な記述問題が出題されますので・・・)

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前回と今回の計二回にわたり、「具体と抽象」をテーマにお話させていただきました。
いかがでしたか?
少しでもお役に立てる独り言になれば幸いです。
8/26をめどに更新予定です。
それでは、また。

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