説明的文章の読解メソッド⑦

いつもブログを読んでいただき、誠にありがとうございます。
今回も引き続き論説文の読解メソッドについて説明したいと思います。
「まだ続くの?!」と思われるかもしれませんが、お付き合いください🙇

本日のブログのテーマは「具体と抽象」です。
このテーマは非常に深く、説明も細かくなりますので二回に分けてお話させていただきます。
この言葉はある意味保護者の方々にとっても聞きなれている言葉かと思われます。
4/29配信のブロで「作者の意見は抽象的な表現」になるとお伝えさせていただきました。そのため、各形式段落の要点(※中心)をおさえるためにも、「具体と抽象」をしっかり分けて情報処理できるようになることは最も基本となる読解力と言えます。

では、「具体と抽象」を分けて読む上でのポイントをいくつか述べさせていただきますので参考にしてください。

ポイント1
「たとえば」という接続詞に注意する

これは4/29のブログでもお伝えしましたので、ある意味復習になりますね。
作者は読者に伝えたいことを抽象的に述べた後、その具体例を挙げることが多いです。よって、「たとえば」の前が「抽象」で、後が「具体」という考え方が成り立ちます。
ただし、ここで一つ注意点をお伝えします。
それは「たとえば」という接続詞が省略されることが多いという点です。
下記の例を確認してください。

(例)コロナ禍により、社会全体でインターネットを利用する機会が増えました。ビジネスではオンライン会議システム、買い物ではEC、学校ではオンライン授業が浸透しました。

上記の例を見ると、二文目は一文目の「インターネットを利用する機会」の具体例になっています。
そのため、本来二文目頭に「たとえば」という接続詞があるべきですね。
よって、省略された「たとえば」を自主的に補いながら読解する感性・スキルを子どもたちに習得させることがとても重要です。

ポイント2
「つまり」という接続詞に注意する

「つまり」という接続詞は、内容をまとめて説明する働きをします。
下記の例文を見てください。

(例)漫画やトランプ、スマホ、つまり勉強に関係のないものは学校に持ってきてはいけない。

上記の例文では、「つまり」の前の文脈が「具体」で、後が「抽象」となります。
よって、話の中心(※話し手が伝えたいこと)は「勉強に関係のないものは学校に持ってきてはいけない」という文脈ですね。
このように、「つまり」という接続詞の働きに注意することで「具体」と「抽象」を見分けることができます。

今回は「接続詞」の働きに注意を払うことに焦点をあてて、「具体」と「抽象」についてお話させていただきました。

子どもたちは大人が考えている以上に、「語の働き」や「文節どうしの関係」に注意を払わずに文を読んでしまっています。私の長年の指導経験上、これは大いに問題であると考えています。(※特に中学受験をするお子さまの場合)
一般的に国語という科目指導の授業では、「場面分け」、「対比」、「類比」など文章全体の流れを的確に読み解くための知識・スキルを教えることに注力します。
しかし、「語の働き」や「文節どうしの関係」に注意を払う力がないがあまり、「一文を正しく情報処理できない」、「文と文の関係を正しく読み解けない」というお子さまに「場面分け」、「対比」、「類比」などの知識・スキルを教えてもそれらの知識・スキルを的確に使いこなせるようになることを期待することは難しいのです。

そのため、私が開発したチアスタディでは「語の働き」や「文節どうしの関係」など文章読解の土台となる基礎学力の育成に重点を置いたカリキュラムとなっています。
何事も基本が大切です!!!

チアスタディの学習で培った読解力(※読解筋)を土台とし、その上に国語、算数などの科目学習を積み上げてほしいと願っています。

→ チアスタディのカリキュラムはこちらから

今回のお話はここまでです。
いかがでしたか?
少しでもお役に立てる独り言になれば幸いです。
次回も「具体」と「抽象」の見分け方についてお話させていただきます。
8/5をめどに更新予定です。
それでは、また。

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