説明的文章の読解メソッド④

いつもブログを読んでいただき、誠にありがとうございます。
今回も論説文の読解メソッドについて説明したいと思います。

前回のブログでは「意見の伝え方」にフォーカスを当て、「説得力」のある文章を書く上で重要になる論理のしくみの一つとして「対比」の表現があるということをお伝えしました。
今回はその続きとなります。

「対比」以外にも「説得力」のある文章を書く上で重要になる論理のしくみがあります。それは「類比」の表現です。
「類比」とは端的にお伝えすると「対比」の逆の論理になります。
つまり、「対比」が自分の意見と反対の意見をあえて比較することで、自分の意見をより強調した書き方ができることに対して、「類比」は自分の意見と類似した意見をあえて並べることで自分の意見をより強調した書き方ができるという表現になります。

では、どのようにして自分の意見と類似した意見を並べるのか?
その方法は主に下記の二つです。

方法その1
自分の意見を別の表現で言い換える

喩えの表現を使用したり、同義語を使用したり、文型を変更するなどして作者は自分の意見を別の表現に言い換えます。そうすることで、何度も同じことを伝えてはいるものの、読者に「くどい」と思わせることを回避するのです。

方法その2
自分と類似の考えを持った偉人の話を引用する

私はこれを「権威の利用」と子どもたちに教えてきました。
私個人的には「類比」の中では、この方法が最も文章の説得力を高めると考えています。
自分と同じような考え方を論じている過去の「偉人」の話を引用することで自分の意見と類似した意見を並べることとなり、自分の意見の正当性をより強調できるということですね。総理大臣の中にもこの方法論を上手く活用し、説得力のある演説をされる方がいらっしゃいました。

このように、作者の意見を的確に読み取る上で「類比」の角度に注意を払うことがとても重要ですが、子どもたちは大人が考えている以上にこの「類比」の角度に気づかすに論説文を読んでいます。特に、「自分の意見を別の表現で言い換えている」ということに気づきません。
そのため、チアスタディでは「文の言い換え」というテーマを各章の第5節に取り入れています。「文型を変えただけなのに、全く異なる内容を述べている」と誤解してしまう子どもたちは意外に多いです。そのため、チアスタディでは「文の言い換え」というテーマに基づき、多くの同義文判定問題に取り組んでもらいます。これが、「類比」の学習の種まきになります。

→ チアスタディのカリキュラムはこちらから

今回のお話はここまでです。
いかがでしたか?
少しでもお役に立てる独り言になれば幸いです。
次回も論説文の読解メソッドについてお話したいと思います。
6/17をめどに更新予定です。
それでは、また。

目次