説明的文章の読解メソッド③

いつもブログを読んでいただき、誠にありがとうございます。
今回も論説文の読解メソッドについて説明したいと思います。

前回のブログで「作者の意見とその具体説明にあたる部分を分けて読む」ことがとても重要であり、これが「論理展開」を意識して読む第一歩であるとお伝えしました。
今回は少し角度を変えて、「意見の伝え方」という部分にフォーカスを当てて論説文の読解メソッドをお話させていただきたいと思います。

作者は自分の「意見」を読者に理解してもらうために、「説得力」のある文章を書くことを意識します。これは当然のことですね。作者は自分の「意見」を多くの他者に伝え、一人でも多くの他者からの共感を得たいと思い論説文を書いているはずですので。
そして、この「説得力」のある文章を書く上で重要になる論理のしくみの一つが「対比」の表現です。
4/1に更新した「物語文の注意点④」というブログでも「対比」という語句を使用しましたので覚えている方も多いかと思われます。

では、「対比」の表現を使って、「説得力」のある文章を書くとはどういうことか。
それは、自分の意見と反対の意見をあえて比較することで、自分の意見をより強調した書き方ができるということです。

例文を使って説明しましょう。
下記の例文をご確認ください。

(例文)

一方で、たくさんの本を読むことは知識量の増加につながるため子どもの頃から本は速く読むべきだと考える人もいると思う。

しかし、じっくり丁寧に読むことで一冊の本からより多くのことを学べるという効果が期待できると思う。

よって、私は子どもの頃から本は速く読むべきだという考え方にあまり賛成できない。

青枠部分の意見と赤枠部分の意見がまさに「対比」の関係にあります。
(※当然、青枠部分の意見が作者の意見に対する「反論」になります)
そして、最後の黒枠部分が作者の結論であり、「反論」に対する「再反論」という構図になっていることが読み取れます。

このように「対比」の表現を利用し、あえて自分と反対の立場にある人の視点と比較し、改めて自分の意見を見直し研ぎ澄ますような書き方は論説文を書く上での常套テクニックです。
そのため、論説文を読解する時はこの「対比」の角度に注意するという姿勢が非常に重要であると覚えておいてください。
ちなみに、「対比」の部分では「一方で」「しかし」「それに対して」などの言葉がよく使われますので合わせて覚えておきましょう。

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今回のお話はここまでです。
いかがでしたか?
少しでもお役に立てる独り言になれば幸いです。
次回も論説文の読解メソッドについてお話したいと思います。
6/3をめどに更新予定です。
それでは、また。

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