読解力はなぜ大切?
読解力について正しく理解する7つの質問
読解力があるとどの教科に役立つ?
読解力とは「文章を読み取る力」ですが、この「文章」とは国語の教科書で出会う小説や論説文だけのことではありません。数学の文章題や、理科や社会のデータからその意味を読み取ることも読解力だと言えます。
読解力とは、与えられた情報を分解する科学的な作業
小学校などで「読書の時間」が設けられていることがあります。より多くの本に親しみ、さまざまな表現に触れることは豊かな情感を育むのにとても大切ですね。読解力を身につけるのにも、本をたくさん読むことは無関係ではありません。
しかし、ただ文章に触れれば読解力を鍛えられるか、と言うとどうでしょう。「身につく人もいるが、どれだけたくさん読んでも身につかない人もいる」と言う他ありません。なぜなら読解とは論理的に文章を分解してその構造をつかみ、本当の意味を探る、科学的な作業だからです。
本をたくさん読んでいて難しい問題が解ける人もいれば、同じようにたくさん読んでも必ずしも教科学習に役立てられない人もいます。それは、科学的な読み取り作業ができているかどうかによって異なるのです。
子どもの「苦手分野」に共通する要素は、読解ではありませんか?
読解力があれば、どの教科に役に立つか? というご質問がよくあります。上で見たように、読解力の本当の力は、与えられた情報を分解してその構造をつかみ、本当の意味を探ることにあります。読解力とは文章を読む力ですが、いわゆる国語で「作者の考えを答えよ」という問題だけに使うものではないのです。
たとえば、算数で少し長い問題文が出てきたとき、ただ反射的に文中の数字を組み合わせて公式にあてはめれば解けるとは限りません。難問の中にはあえて使わない数字も書かれているものもあります。正解にたどり着くには、問題文を読み取り、分解して、本当の意味を探ることになるでしょう。理科や社会で、データが与えられる問題も増えています。表やグラフが示されて、そこから問題文が求めている答を出す。これにはとても高い読解力を必要とします。
逆に言えば、本当の読解力が身についていれば、すべての教科で成績を高めることができると言えるでしょう。お子さまの「苦手分野」を整理してみてください。けっこう多くの場合、「読解力を必要とする問題」に引っかかっているというのが実際です。