関西・大阪・兵庫ではどう学ぶ?

読解力はなぜ大切?
地域ごとの人気校の出題傾向と読解力の勉強法

関西・大阪・兵庫ではどう学ぶ?

関西では、近年コロナ禍で無理したくないという事情から受験者数の減少が指摘されてきましたが、23年度入試は中学受験者数が前年比で増加しました。大阪、兵庫、京都と地域が分かれる関西ならではの受験動向とは?

入試の形態そのものが多様化しつつある

男子では難関校へのチャレンジが増えた一方、女子ではやや安全志向の入試になってきたとも言われています。コロナ禍もひと段落したとあって、また中学受験熱は盛り上がる可能性が指摘されています。公立も含めて中高一貫校が増えたことで、受験地図が塗り替わっていこうとしています。

入試日程を変える学校などがありますが、関西の入試は多様性を高めようとしているようです。英語での入試が増えるほか、自己推薦入試なども増えています。自己推薦入試は、大学入試におけるAO入試のように、スポーツやボランティアなどさまざまに行ってきた活動をアピールして挑む入試となります。

また、増えてきた公立の中高一貫校が取り入れている「適性検査型入試」も注目が集まっています。首都圏ではすでに100以上の中学校が行うなど実績を積み上げています。

関西でも「適性検査型」の読解問題が広がっていく?

適性検査型入試では、教科別に取り組む入試ではなく、科目の枠を超えて知識を統合し考えさせる問題になっているのが特徴で、会話や資料をもとに考えて、自分の意見を説明するといった問題が出されることが多いようです。

先行する首都圏・関東では次第に私立学校の出題にも影響を与えているように思われます。関西でも、徐々に総合的な読解力、論理的思考力を求める問題が広がっていくと考えるべきでしょう。

そうなるとまさに読解力の出番だと言えます。適性検査型の入試では小学校で習った内容だけを対象にしながら、その論理性、データ分析力などが小学校での学習領域を超えたものになっていると言われます。そうした「問題を読む力」「与えられたデータや資料を読み取る力」「自分の考えをまとめて論理的に説明する力」は、ただ小学校で習った範囲を覚えていれば通用するというものではありません。

中学受験には「小学校4年生くらいから塾に通うのが常識」などと言われますが、塾はあくまで問題演習を行って教科学習の理解度を深め錬成していく場所。読解力の土台を育成する場所とは言えません。つまり、読解力の土台を構築し、その上に塾での学習を積み上げるからこそ相乗効果が期待できると考えるべきです。そのため、できれば小学校2,3年のうちからじっくりと、読解力を身につけ、それから難関中学の出題に取り組むのが効率的です。

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