物語文読解の注意点③

いつもブログを読んでいただき、誠にありがとうございます。
今回は、物語文読解の注意点③について説明します。

物語文を読解するときに大切なことは
「表現技法」が用いられている文脈に注意を払う習慣を身につけることです。
(※このことは、物語文などの文学的文章だけでなく説明的文章の読解においても非常に重要になる注意点ではあるのですが・・・)

物語文など散文において、最低限おさえておく必要のある表現技法は主に下記の「たとえ」の表現技法になります。

直喩(ちょくゆ)…「~のような」など「たとえ」であることを示す言葉を使って直接たとえる表現技法
 例)ひまわりのような笑顔

隠喩(いんゆ)…「~のような」など「たとえ」であることを示す言葉を使わずにたとえる表現技法
 例)鋼の心

擬人法…人間でないものの様子や動作を人間にたとえる表現技法
 例)春が近づいてくる

では、ここからが本ブログの本題です。
「なぜ表現技法が用いられている文脈に注意を払う習慣を身につけることが大切なのか?」ということです。

国語の長文読解問題において、下記のような問題がよく出題されます。

(問)─── 線部に使われている表現技法の名前を答えなさい。

(問)この文章について説明したものとして最もふさわしいものを次の中から選び、記号で答えなさい。

一問目は直接的に表現技法に関する知識を問う問題ですね。
二問目は少し応用問題です。正解の選択肢は文章中にたくさん表現技法が使用されているというような内容になっており、文章を読む過程で表現技法が用いられている文脈にある程度意識が働かなければ正解となる選択肢を選べない問題です。

ということは、上記のような問題が出題されるから表現技法が用いられている文脈に注意を払う習慣を身につけることが大切なのでしょうか?
確かにそれも理由の一つではありますが、一番の理由は下記の考え方が重要だからです。

【重要事項】
場面をより「的確に」「深く」想像できるようになるため。

情景描写や登場人物(※特に主人公)の心情は表現技法を使って説明されることがよくあるため、表現技法が用いられた文脈に注意を払い、正しく読み解くことが大切であるということ。

そもそも作者が表現技法を使う主な理由は何でしょうか。
それは読者に自分の書いた表現を印象づけるため。
これは説明文にも当てはまる話ですが、作者は読者に「伝えたい」「共感してもらいたい」「想像してもらいたい」と思う文脈をより強く印象付けたいと考えます。その際、表現技法を使用して書くと効果的です。
つまり、表現技法を用いて書かれた文脈は物語文の主題や説明文の作者の意見を読み解く上でも非常に重要と言えます。
そのため、表現技法が用いられてる文脈に注意を払う習慣を身につけることが大切であり、筆者が開発したチアスタディでも表現技法が用いられた文脈を読み解く練習問題をたくさん出題しています。

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ところが、子供たちは通塾中の塾の授業で表現技法について学んでいるものの、一人で文章を読む時表現技法が用いられている文脈を素通りしていることが多いと言えます。
(※ ─── 線が引かれ、問題として問われている場合は除く)
よって、一人になった時も表現技法が用いられている文脈に注意を払う習慣を身につけることを目指しましょう。

今回のお話はここまでです。
いかがでしたか?
少しでもお役に立てる独り言になれば幸いです。

次回も物語文の読解についてお話させていただこうと思います。
4/1をめどに更新予定です。
それでは、また。

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